こんばんは。
今日は年越し宿直ということで、さらっと1年を振り返ってみようと思います。
『2015年かさまっちょ獣医のうれしかったことベスト5』
今年、私がうれしかったことを5つ紹介しますね。
「受診動作訓練(ハズバンダリートレーニング)の充実化」
受診動作訓練とは、検温や採血、超音波画像診断などを動物を強制的に押さえつけることなく、人と動物が信頼関係を築き、様々な検査をトレーニングにより行っていく方法です。この受診動作訓練を含むハズバンダリートレーニングというものは、水族館で飼育する動物のQOLを高めていく上で必要不可欠なものとなっています。
今年の春、私からのお願いで、もっと厳密に、もっと正確に受診動作訓練を進めて欲しいという話をトレーナーのみんなとしました。
正直、日常を変えるのはしんどいんですよね。けっこう嫌がられるかなぁと思っていましたが、みんなスゴイですよ!
今までと違う新しい流れがおこり、これまでの取り組みでは成しえなかったことが、できるようになってきています。
しかも動物もトレーナーも「生き生きとしている」ように見えます!(そう思うのは私だけ?)これが、ハズバンダリートレーニングなんだと実感しています。
恐らく来年の今頃は、獣医もトレーナーも「安心して下さい!」と動物たちに言える日が来るだろうと楽しみにしています!
「いそぴー全国会議で発表する!」
いそぴーが動物園水族館協会の全国会議で、「ミナミアフリカオットセイにおける妊娠期モニタリング」について発表しました!
まさか本当にやり遂げるとは。。。いや、やってくれると思っていましたよ!
自分でやりたいと言い出したとはいえ、入社2年にも満たない彼女が全国会議で、しかも獣医学的な内容で発表するには相当な努力が必要だったと思います。ずいぶん苦労して準備していました。よくがんばったと思います。これからオットセイを飼育している水族館にとって、大変役立つことと思います。
その裏にはKトレーナーの慎重で丁寧なトレーニング技術があったことを加えておきます。
ありがとう。
「ポウちゃん大人になる!」
すでにご存知のように、セイウチのクウが妊娠しています。
オスのセイウチが大人になるには約10年かかると言われています。
ポウもクウも今年で10歳、ようやくオトナのセイウチになりました。
10月上旬、エコー検査でクウのお腹の中に赤ちゃんセイウチを確認した日、その日だけは「ポウちゃんやったなぁ!」と言って撫でさせてもらいました。
(写真は入館間もない頃のポウちゃん)
決して順調ではなかったこんな2頭が、大人になったというのは、やはり感慨深く嬉しいものです。
来年の今頃、うれしかったことベスト5に「クウちゃん出産する!」と書けますように☆!!!
「ベストプレゼンテーションに選ばれる!」
今年も動物園水族館協会の全国会議で研究発表をしたのですが、今年は「ベストプレゼンテーション」に選ばれました!
実は昨年の会議では、「準ベストプレゼンテーション」に選ばれていたのですが、それ以来テレビで事業仕分けやら、なんやらで「1番じゃないとだめなんですかぁ~」と聞こえてくるたびに、私も「1番じゃないとだめなんですよぉ~」と心の中で呟いていたので(笑)、なんかとてもスッキリしました!
獣医にとって、研究発表の順位は大きな関心事ではありません。
動物たちのQOLを高めるために、私の目指すものはもっと先にあります。
ですが、やっぱり1番はうれしかったです!
(ビーバーが喜んでくれました、ピース!)
「少しは成長できたこと」
技術者にとって、できるようになったな、少しは成長したなと実感できることは、何歳になっても嬉しいものです。
今年も少し成長することができました。
自分のできること、できないことを客観的に評価できなければ、今以上の成長はありません。キッパリ!!!
来年、私たち医療チーム(私が勝手に思ってるだけね!)は、さらに難しいことをいくつか計画しています。
いずれも動物たちのQOLを少しでも良くするための取り組みです。
難しいことは、時間もかかるし、精神的にもやられます。。。
ですが、来年の目標が決まっていることは、とても幸せなことだと考えています。
2016年、さらに充実した1年になりますように!
みなさま、良いお年をお迎えください!