地味ネタなので備忘録的に掲載します。
3月15日の深海底引き網生物採集でトヤマヤツデヒトデCalasterias toyamensis Hayashi, 1975 を1個体採集しました。
採集場所は尾鷲市三木崎沖、水深144-156m
私が本種を採集したのは初めてですが、三重県で初記録になるのかは確認中です。
腕の長さが1cmほどの小型のヒトデです。
実は、種名からわかるように本種は元々は富山湾でのみ確認されていたヒトデでしたが、1983年におこなわれた秋田県男鹿半島周辺の動物相調査で初めて富山湾以外にも分布することが判明したそうです。
そして2010年には宮城県志津川でも発見(太平洋側初確認)
その後相模湾からも見つかったそうです。
ヒトデ研究者Kさん曰く、本種は採集例が少ないので分布域ははっきりしない、とのことでしたが、見つかった場所を並べていくと、富山→秋田→宮城→神奈川…と少しずつ三重県に接近してきているように思えたり(笑)
いやいや、もちろんそんな訳はなく、小さなヒトデなので、確認されていないだけで各地に分布している(はず)でしょうが。
すでに三重県でも採集記録があるかも知れないですし。
きちんと調べてみなくては。
現在、へんな生きもの研究所のサガミモガニ水槽で展示していますが、小さすぎて誰にも気づかれていないようです。
【飼育研究部 森滝丈也】