最近、水族館近くの(同じ市内にある)菅島の漁師さんから生物をよく頂戴します。
イセエビの刺網に掛かった不要な生物、例えばセノテヅルモヅルやキサンゴの仲間、ヤギの仲間などなど。
水族館では、昔から鳥羽からさらに南下した志摩半島まで出かけて、漁師さんから生物を分けていただいていますが、こんな風にすぐ近くの鳥羽湾から色々な生物を収容する機会はほとんどありませんでした。
すぐ目の前の海から届くので、どの生物も比較的状態良好!
展示的にも飼育する上でも好条件。
ありがたいです。
例えば、こんなウミカラマツとか。
イソバナも状態が悪いとすぐに枝が崩れてしまいますが、菅島のものは元気よくポリプを開いています。
採集に出かけたり、業者に注文しなくても、水槽の展示がどんどん充実していきます。
私の好きなマイナー付着生物もいます(笑)
これは、見慣れないヤギの仲間…
共肉を溶かして骨軸を調べると…特徴的なかたちをしていました。
どうやらトクサモドキ科の一種のようです(種類は不明)
この仲間は志摩半島の漁師さんからは手に入れた記憶が無いなぁ…
菅島沖からやってくる生物はどれも採集地がはっきりしているので、データが蓄積すれば、この海域にどんな生物がいるのか、生物相を知る手がかりになりそうです。
数年前にはそれまで日本で2か所でしか見つかっていなかった珍しいホヤの仲間も見つかりましたしね。
さらに、テヅルモヅルなど幼生期にあまり移動しないと考えられる生物を調べれば、他の海域のものと遺伝的に少し違っていたりするかも…。
面白そうです。
きちんと調べれば身近な海で面白いことが明らかになる可能性がありますね。