2020年に熊野灘の深海から見つかったイソギンチャクの仲間が、新種「ゲンシカイキ」 Neotenactis amateras として新種記載されたと3月にお伝えしました。本種はこれまでに公式には日本で確認されていなかった「ムカシギンチャク科」に属し、北西太平洋における本科の初記録。さらに、科として約130年ぶりの新種であるばかりでなく、新属であることも明らかになるなど、かなりのレア種です。
新種記載発表のタイミングで生体を展示したかったのですが、残念ながら実現せず…。
またいつか採集したいと願っていたところ、先日、沖合底引き網で水深370mから採集した沈木の表面に、気になる小さなイソギンチャクの姿を確認!
触手は12本。高さ1㎜あるかないかの超ミニサイズですが、こういうのはなぜかすぐに目に留まります。
ひとまず確認できたのはこの1個体だけですが。
現段階では、待望のゲンシカイキなのか、何か別のイソギンチャクの赤ちゃんなのか判断付きませんが、しばらく飼育して正体を突きとめたいと考えています。
へんな生きもの研究所のアパート水槽に収容していますが、サイズがサイズだけに肉眼での視認は難しいと思われます。ご了承ください。
ちなみに、本物のゲンシカイキはこんな姿をしています↓
【飼育研究部 森滝丈也】