先日、取材でイソギンチャクが急遽必要になったので、近くの磯まで出かけてきました。
あいにくの曇天。雨の合間を縫うように、30分程度で採集を終えました。
大潮ではなかったので、狙いは潮干帯上部まで生息するヨロイイソギンチャク。
大きな岩の隙間にびっしり付着しています…が採集は難しい。
イソギンチャクを傷つけないよう岩ごと採集するのがベストですが、ヨロイイソギンチャクは大きな岩に付着する場合がほとんどなので、なかなか難しい…
何とか手頃な岩に付着している個体を探し出し、無事に任務遂行!
ところで。
こんな風に簡単に見つかって、動き回らないイソギンチャクを見ると、ついつい採集欲が沸いてきますが…決して採りすぎないように!
実はイソギンチャクの仲間は基本的に長生きで、ウメボシイソギンチャクだと1828年に採集された個体が1887年にイギリスの植物園の水槽室で死んだという記録があるほど(飼育60年以上)
ヨロイイソギンチャクの仲間になると何と150年以上と見積もられています…
そのため、イソギンチャクは個体群に子どもが加わる(新規加入する)ことが非常に少ないらしいのです。
そのため同じ場所でイソギンチャクを大量に採集すると、その個体群の存続に影響を及ぼす可能性があるそうです。
採集は必用最低限に。
この磯にも数十年経過したイソギンチャクがいるかも知れない…そう思うとワクワクしますねぇ。
【飼育研究部 森滝丈也】