へんな生き物研究所で飼育中のニチリンヒトデ(左)。
本種の餌はナマコやヒトデ類なので入手が難しく、この個体は1月に入館してからもう半年も何も食べていません…と先日の飼育日記で紹介したばかりですが。
先日の土曜日、水槽をふと見ると…
いつもは水槽のガラス面に張り付いているヒトデが水面近くまで移動して、口を大きく開けているじゃないですか!もちろん水槽の中にヒトデが食べるような餌はなかったのですが、丸飲みするような格好をしていました。
私の脳内に響く「餌をくれ~!」というヒトデの叫び声。
こ、これは、いけるかもしれない…
隣の水槽を見れば、前日の餌(むきアサリ)の残りがありました。すぐにそれを拾い上げて与えてみると…何と、スムーズに丸飲みしたではないですか!
今までは無反応だったのに。よほど空腹だったらしい。
極限まで腹が減れば、ニチリンヒトデであってもナマコやヒトデ以外の餌を食べるのかもしれません(あるいは1日経過したアサリが良かったのか…)
いずれにしても無事に摂餌。これでニチリンヒトデの長期飼育に光明が見えました。
今、ニチリンヒトデの長期飼育に挑戦しているのは、このヒトデの歩帯溝に寄生(共生)するレアなスイクチムシ類Asteromyzostomum sp.(矢印)の成長を観察するためでもあります。
【飼育研究部 森滝丈也】