前回(2月7日)の熊野灘沖合底曳き網採集では、3種のヤドカリを探していました。
残念ながら採集できたのは小さめのヨコヤホンヤドカリが3匹のみ。これも目当ての一つでしたが、ヤドカリのサイズが少し小さいですね…。
実は、このヤドカリから未記載種のヨコエビが見つかることがあるので探していたのですが、サイズの小さなヤドカリからは見つからない印象があります。今回も、残念ながらヨコエビの姿は確認できませんでした…
ひとまず、ヤドカリはへんな生きもの研究所へ収容して、10日程経過した今朝。
ふと水槽を見ると、そのヤドカリに小さなヨコエビが乗っているじゃないですか!どうやら採集直後はどこかに身を隠していたようです。
予想外の遭遇に興奮して何枚も写真を撮ってしまいましたよ(笑)
これはヨコヤホンヤドカリの体表に共生する珍しいヨコエビ(Isaea属)で、同じ仲間は 4種だけが知られています。
Isaea属4種のうち3種は大西洋に、1種だけが北太平洋に分布しますが、日本沿岸からの報告はなく、熊野灘で見つかる本種は体の特徴などからしても未記載種のようです。
かなり小さなヨコエビですが、条件が合えば肉眼でも見ることは可能なので、興味のある方は、是非、へんな生きもの研究所で探してみて下さい。黄色い縞模様がキュートなヨコエビです。
【飼育研究部 森滝丈也】