熊野灘の水深280m以深に生息するカガミモチウニ。この飼育日記でもなかなか人気の高い可愛いウニです。
ウニの仲間としては珍しく海底に沈んだ木を食べ、メスの上にオスが「鏡餅」のように重なる興味深い生態。
2015年に初めてこの行動を確認してから6年間。数日間離れることはあってもまた直ぐに重なり、いつでも水槽の中で「鏡餅」をいくつも見ることができていたのに、昨年末の飼育日記で紹介したように、今年は5月に最後の鏡餅を確認したきり、全く重なることがなくなり、個体数も少しずつ減少…
それで、先日、普段から懇意にしている愛知県の竹島水族館さんに「余剰がいたら、分けてもらえないでしょうか…」とお願いしてみると…
何と!重なっている1ペアと単独の3匹の計5匹を送りますよ~と嬉しい返事をいただきました!(それも、わざわざ展示水槽から)
本当にありがとうございます。
そして、本日、カガミモチウニたちが無事に到着。
到着時はそれぞれバラバラに離れていて少し不安でしたが、水槽に入れてしばらくすると1組がきちんと「鏡餅」になりましたよ!
いやぁ、こんなに愛おしい気持ちになったのは久しぶり。
実は、昨日は底曳き網採集にでかけて可愛いカガミモチウニとイッスンボウシウロコムシを探していました。両方とも採集できなかっただけに喜びもひとしおですな。昨日、何が採集できたかは、また次回紹介します。
【飼育研究部 森滝丈也】