現在、へんな生きもの研究所でテンプライソギンチャクを飼育しています(本種を見ることができる水族館はおそらく鳥羽だけです)。
ご存知の方も多いかもしれませんが、テンプライソギンチャクはノリカイメンの一種に埋もれて共生する、珍しい生態が特徴で、触手を縮ませるとエビの天ぷらに似ていることからこの和名になりました(2018年の4月に新種記載された新顔です)。
テンプライソギンチャクは展示水槽で長期間飼育していると周囲のノリカイメンが徐々に痩せて縮んでくるので、予備水槽の個体群とローテーションしつつ、展示を継続しています。
痩せてくると、より「エビ天」感が増しますね(笑)
現在、飼育している個体群は去年の10月に水族館向かいの菅島で採集したものですが、付着していた岩と一緒にヨツハモガニも水族館にやって来ました(現在、予備水槽で飼育中)。
このヨツハモガニは自身の体に海藻などを付けて擬態をする習性がありますが、この個体はからだにノリカイメン(とテンプライソギンチャク)を付けています。いわば「カニの天ぷら」状態ですね(笑)。
なかなか上手く擬態しています。
折を見て、この個体も展示デビューできればと考えています。
【飼育研究部 森滝丈也】