画像は今年の3月2日に熊野灘の沖合底曳き網で採集したウオノシラミ属の一種です。
種類は不明ですが、金粉をまぶしたような姿が魅力的です。
ウオノシラミの仲間は一時寄生性で、魚の体表に取り付いて体液を吸い、満腹になると魚体から離れるという習性を持ちます。この個体も採集した時は、胃は魚の体液でパンパンでした(黒い部分が胃)。
それからおよそ半年…普段は水槽の底砂の中でじっとしていることがほとんどですが、元気です。
今日は半年ぶりの健康診断(腹側の画像撮影しただけですが)。
魚の体液で満たされていた胃が少しだけ小さくなり、そして、中腸腺(矢印)が大きくなっていました。
中腸線は栄養の貯蔵器官でもあるので、胃の内容物が消化されて中腸線が成長したのでしょうか…。
いずれにしても、完全に消化しきるにはまだまだ時間がかかりそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】