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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オペラ座の怪人

現在、へんな生きもの研究所で展示中の1匹のゾウリエビは、体の表面をカイメンの仲間に覆われています。オペラ座の怪人のよう(笑)。

こんな風にカイメンに覆われているゾウリエビってあまり見かけない気がしますが、カイメンはエビの表面を覆っているだけなので、ゾウリエビに悪影響は特にないと思います。カイメンの種類が気になります…

さて。

ご存知の方は多いでしょうが、カイメンは原始的で体のつくりが単純な「動物」です。基本的に濾過食性で、体の表面にある無数の細かな穴(小孔)から海水を取り込んで、中心にある大きな穴(大孔)から海水を出して、海水中から栄養を得ています。

筋肉(筋組織)を持たないカイメンは、細胞に生えた毛(鞭毛)を動かして水の流れを作り出しています。

今回紹介したゾウリエビのカイメンは、この鞭毛細胞(もちろん肉眼では確認できませんが)が並ぶ管が透けてよく見えています。これが「花」か「雪の結晶」のようにも見えて(あるいは血管…)なかなか美しい。個人的にツボですね。

【飼育研究部 森滝丈也】

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