去年の8月に採集したテンプライソギンチャクの群体がかなり小さくなってきたので、菅島にある名古屋大学の臨海実験所の協力で新しい展示個体(群体)を採集することにしました。今朝の鳥羽はかなり激しく雨が降っていたので海の濁りが心配でしたが、何とか予定通りテンプライソギンチャク採集を敢行…
ご存知かもしれませんが、テンプライソギンチャクとは、2006年に神奈川県三浦市の磯で発見されたカイメンと共生する珍しい生態を持つイソギンチャクで、触手が縮むとエビの天ぷらによく似ています。
本種は去年の4月に新種記載されたばかりで、まだ日本国内の3地点(神奈川の三﨑、新潟の佐渡島、三重の鳥羽)でしか見つかっていません(展示は鳥羽水族館だけ)
生態もかなり変わっていて、去年は水族館の飼育を通じて興味深い生態が明らかになりました。今年もさらなる生態の解明に努めたいと考えています。
そんなテンプライソギンチャクはへんな生きもの研究所で展示中です。ぜひ、見に来てください。
ちなみに、このテンプライソギンチャクは大きさ5mmほどと、かなり小型。間違っても本物のエビ天サイズではありません(笑)。期待に胸を膨らませて実物を見るとがっかりするかもしれないので、そういう心づもりで目を凝らして探してみることをオススメします。
【飼育研究部 森滝丈也】