へんな生きもの研究所では水族館近くの菅島沖で採集したセノテヅルモヅルを展示しています。このモヅル達は以前から興味深い行動が確認されています。
それは大きな成体に小型の幼若個体が付着する行動。
本当の親ではなくても成体であれば(♂♀関係なく)幼若個体は取り付き、取り付いた成体の口に腕を差し込むなどして餌を横取りしているように見えます(私はこの行動を「すねかじり行動」と呼んでいます)
今、成体に取り付いているのは、この飼育日記でもおなじみの「モヅ子ちゃん」
モヅ子は採集時から他個体にすねかじりしていましたが、今も取り付く相手(成体)を乗り換えながら、この「すねかじり行動」を実に5年半以上継続中(2012年秋~)
いつの間にか、へんな生きもの研究所で1番の飼育歴が長い個体となりました。
こちらが今のモヅ子。撮影のため、すねかじりしていた相手から取り外しました。
それほど成長していません。テヅルモヅルは成体になるまで20数年以上かかるとも聞きますが…確かに成長はかなりゆっくりです。
撮影が終わって水槽に戻すと、モヅ子はすぐにすねかじり相手に戻っていきました。
5年以上継続中ですが、すねかじりはまだまだ続きそうです。
この行動について他に観察データがないので、いつまで続くのかよくわかりません。
まだしばらく観察は続きそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】