熊野灘の沖合底引き網で採集したヒトデが死ねば、ヒトデの寄生虫であるシダムシ(甲殻類)やスイクチムシ(多毛類)を探すため、ヒトデの中身をチェックしています。
前回の9月10日の沖合底引き網では、水深165mからゴカクヒトデ科のAnthenoides epixanthus(和名なし)が、まとまって採集できました。
ヒトデに内部寄生するヒトデスイクチムシの仲間は、これまでに世界中でわずか2種しか報告されていない小さなグループですが、最近、熊野灘の3種のヒトデから3種の未記載種スイクチムシが見つかっています。
スイクチムシを見と
けたヒトデは、このAnthenoides epixanthus ではありませんが、実はこのヒトデからも過去に2回だけスイクチムシが見つかっているので、おそらくこのヒトデにもスイクチムシが寄生すると予想しています。
さて、先ほど、死亡した大きな個体を調べていましたが…
見つけましたよ、スイクチムシ!幽門盲嚢(消化腺)の中に隠れていました。
テンション上がります(笑)これで3例目。
ちなみに…こんな姿をしていますが、スイクチムシはゴカイの仲間です。
幅10mmと比較的大型で、背中側が淡褐色、腹側はピンク色がかっています(画像上が前方)。
↓背側↓
↓腹側↓
今後、慎重に調べていかなければいけませんが、まずは備忘録として飼育日記にアップしておきます。
【飼育研究部 森滝丈也】