へんな生きもの研究所で熊野灘の水深300mで採集された「鏡餅ウニ」ことPrionechinus forbesianus(和名なし)を飼育しています。
このウニは時々「鏡餅」のように重なる面白い習性があります。
何故このような行動をするのか今のところ不明ですが、解明するのが今年の目標のひとつ(宣言!)
多い時は6組みほどが鏡餅になっています。
必ず大型個体の上に小型個体が乗り、以前の観察では同じ個体を選んでペアになるように見えました(要検証)
さて。
昨日水槽を見ていて、重なったウニに接近中の単独のウニ(ぼっちウニ)に気が付きました。
鏡餅になった上のウニは、近づく ぼっちウニを阻止するかのような行動を取ります。
面白い行動なので、隔離して観察してみることにしました。
一晩おいて、今朝見ると ぼっちウニは相変わらず単独のままでした。
組み合わせは変わらず。
一方、鏡餅になった2組は排便していました(このウニは海底に沈む木を食べます)
ところで、これは上の個体が排便したのでしょうか?それとも下の個体?
私は上の個体じゃないかと予想しています。
…と言うのも、大型個体が沈木を食べて、上の小型個体はその便を食べているのではないか?と予想しているからです(これが鏡餅になる理由)
まだ仮説の段階ですが…
だとしたら、小型のぼっちウニは沈木をかじることできないのでそのうち腹ペコになるのでは…?と思いながら、先程(14:30頃)再度、水槽をのぞくと…
おぉ!ぼっちウニが鏡餅ウニの上に乗っているではないですか!(安定はしていませんが)
これは見た事がない体勢。
これは、そこまでして上になりたい理由が必ず何かかあるはず!
ん~観察と検証が楽しくなってきました。
【飼育研究部 森滝丈也】