水深200m以深に生息するヒラアシクモガニ。
本日よりへんな生きもの研究所でオス(左)とメス(右)の2匹を展示開始しました。
長い脚が特徴の甲幅3㎝ほどのカニで、日中は砂の上に這いつくばりほとんど動き回りませんが、夜になると立ち上がることがあります。
ヒラアシクモガニのハサミは比較的小型ですが、ご覧のように第1歩脚にはのこぎりのような鋸歯があり、夜間は威嚇するかのようにこの第1歩脚を持ち上げるのです。
なかなか格好良い!
今回のメス個体は左の歩行肢が2本欠損していますが、ちょっと珍しい個体なので展示することにしました。
それは…左の甲が膨らんでいるのが分かるでしょうか?
実はこの膨らみはエビヤドリムシの寄生によるものです。
エビヤドリムシはダイオウグソクムシなどと同じ等脚類です。
沖合底引き網で採集されるエビ類(ヒゲナガエビ等)ではよく見かけますが、ヒラアシクモガニが寄生されているのは初めて見ました。
そんなレアな「エビヤドリムシに寄生されたヒラアシクモガニ」ということで展示しました。
ヒラアシクモガニが死亡したら(もちろん、死なない方が良いのですが…)エビヤドリムシを取り出してみたいと考えています。
【飼育研究部 森滝丈也】