クマムシの展示を決めてから、もう一方のクマムシ(芸人さんの方ね)の動向もなんとなく気になるように…(笑)
新曲は「なんだしっ!」だそうですね(聞いたことありませんが)それで今回のタイトルがこれ…
そうです、シダムシなのです。
ところで。
好評の夏イベント「トバスイ体験クエスト」ではヒトデにも触れていただけて、こちらもなかなか盛況ですが…昨日、予備水槽で出番待ちのアカヒトデが一匹、死んでいました。
腕が大きく崩れて、 そこから柔らかなカリフラワー状のものがはみ出ていました…
ピンときて、引き抜いてみると…やっぱり。
それはシダムシでした。
シダムシは、一見するとヒトデの内臓と見間違えそうですけど、これでちゃんと独立した1個体の生物。
宿主のヒトデの体内に寄生する「寄生生物」なのです。
今回は大きめのアカヒトデ(体の中心から腕の先端まで10.5㎝ほど)に5匹見つかりました。こんなに寄生することもあるのですね。
ちなみにこれは全てメス。オスは小型で姿が異なり、メスの体内に隠れています。
それにしても…
シダムシを目にしていつも感心するのは、過去に、これが生物だと気が付いた人の存在。
かなりの観察眼です。
普通、こんなの生きものだとは気が付かないんじゃないかなぁ…
おまけに、驚くことにこんな姿をしているのにシダムシはエビ・カニと同じ甲殻類なのです。 節足動物のイメージとかけ離れた姿は、見るたびに色々な思いをめぐらせてくれます。
今回見つけた5匹のうち1匹だけ形態が少し違うように思えます。2種類いる…?
シダムシ類は日本近海では7種類ほどが知られているようですが、今回の種類は不明…あとで調べます。
シダムシ自体はマイナーですが、それほど珍しい生きものではなく、割とよくヒトデに寄生しています。
シダの葉のように枝分かれした体腔内には卵がいっぱい入っていましたよ。
【飼育研究部 森滝丈也】