まずは前回と同じ画像から…
ホヤとLipkeaだけでなく、ここには隠れキャラのセルプラヤドカリが1匹います。
場所は白い矢印の上にある、赤いモジャッとした海藻のあたり(画像では確認できませんが)
セルプラヤドカリは甲長5㎜ほどでしょうか、カンザシゴカイ類の石灰質の棲管(チューブ)を住みかにしています。
カンザシゴカイの棲管は石の表面に付着しているので、このヤドカリは自由に動き回ることはしません。
つまり、本種は一般のヤドカリのように貝殻を背負って歩き回ることはなく、常にじっと穴から顔を出しているのが通常の格好なのです。
それが昨日の午後3時頃ふと水槽をのぞくと、おぉ!?ヤドカリが抜け出しているじゃないですか…
スカシカシパンの向こう側に小さく見えるのが、それ。こんな風に棲管から抜け出しているところに遭遇したのは初めてです。
理由を想像してみました。
①成長して棲管が手狭になったので別の住みかを探している。
②普段は自分から動き回れないので常に空腹気味、なので餌を求めて徘徊中…
③たまたまの落下事故。
このどれかが理由じゃないでしょうか…①が理由なら、何か別の住みかを水槽に追加してやらなければいけません。
と思いつつも、とりあえずそのままにしておきました。
その日は宿直でした。夜の巡回中、セルプラヤドカリがどうなったか気になって水槽をのぞいたのですが…
驚きました!
1枚目の画像を見てわかるように、底を歩くヤドカリにとって元いた場所は、はるか上方の、山の上みたいな場所。
それなのに同じ場所に戻っていたとは…そこを目指して帰還したように思えます。
セルプラヤドカリは帰巣本能があるのかしらん?
もしそうなら、理由は②…?まさか(笑)
いずれにしても、セルプラヤドカリの面白い行動に遭遇して、少し得した気分です。
【飼育研究部 森滝丈也】