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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

シマウミグモに付着した内肛動物 続き

最近、ルーティンワークの合間に夢中になっているのが内肛動物の観察。

飼育日記でもちょこちょこ紹介しています。

 

内肛動物は世界で150種類ほどが確認されているようですが、まだまだ見つかっていない種類も多いそうです。

お互いが細い根っこ(走根)でつながる群体性のグループと、一つ一つが独立して生活する単体性のグループがあって、特に私が好きなのは単体性のロクソソマ科の方。

以前、飼育日記で、シマウミグモに付着した内腔動物を紹介しましたが、あまりにも小さすぎて種名も含めて詳細は不明なまま。

シマウミグモの眼丘の後ろに3ついました。

大きさは目測で0.2ミリほどでしょうか。

残念ながら、その日記を書き込んだ直後にシマウミグモが弱って死んでしまったので内腔動物も一緒にアルコールで固定したのですが…

 

今日は宿直明けで時間ができたので、ふと思い立ち顕微鏡で詳細に観察してみることに。

 

1個体だけを柄付き針で慎重に根本から取り外して…スライドガラスに挟み込んで観察。

 

おぉ~よくわかる。

やはり走根で互いにつながっていたようで、群体性のペディケリナ科のようです。

ニセペディケリナという種類に少し似ています。 Pseudopedicellina sp.?

でも、ニセペディケリナにしてはサイズが小さ過ぎるような気もします。

ちなみに上の画像は100目盛で0.4ミリなので、この個虫は高さ0.3ミリぐらいでしょうか。

種類も調査中でまだまだよくわからないことばかり。

とりあえず、この内腔動物(ナイコーさん)は他のシマウミグモでも見つかるのか、シマウミグモをいくつか採集して調べています。

6匹ほど観察しましたが、残念ながら今のところ見つかっていません。

 

ところで。

シマウミグモの餌はよくわかっていないのですが、テツイロナマコやヤツデヒトデに取り付くという記録があるようなので、餌に使えないかとシャーレの中にチビイトマキヒトデを入れてみたところ…

6匹全てが四六時中上に乗っかっています。

確認はできていませんが、もしかしたらヒトデの体液を吸っているかもしれません。

上手くいけば、このままシマウミグモも、付着したナイコーさんも長期飼育できるのでは…と目論んでいるのですが。

 

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