先日の火曜日、テヅルモヅル(セノテヅルモヅル)が入館しました。
今シーズン第1号。いよいよテヅルモヅルの本格シーズン突入ですね!ワクワクです。
テヅルモヅルはイセエビの刺し網で混獲される場合が多いので、漁期の11月から4月頃に多く入館します。
今回の個体は、ヒトエガイ、ベッコウタマガイを採ってくれた漁師さんからで、水族館の近く(鳥羽 菅島沖)で捕獲されたもの(鳥羽産のテヅルモヅルの入館って初めてかも)。
実は、この方、個人的にも珍しい生きものが好きなようで、変わった生きものを採るたびに名前を教えて欲しいと連絡が入ります。水族館としてとてもありがたい方です。
テヅルモヅルとは、クモヒトデの仲間で、その名の通り「手蔓藻蔓」の奇妙な姿。
腕が何本にも分かれて、木の根のようになっています。
漁師さん達の間では「パーマ」(笑)と呼ばれていて、網に絡まる厄介者扱い(網から外すのも一苦労)。
結構たくさん採れるようなので、できれば多く分けて欲しいなぁ…
というのも、個人的にテヅルモヅルの繁殖生態に興味があるからなのです。
卵から孵化してどのように成長するのか、この仲間についてはほとんど何もわかっていません。結構、身近な生きものの割に不思議ですが。
だから、たくさん個体を集めて繁殖のチャンスが増えれば…と。
でも、これまでの経験ではどうも繁殖期は秋(9-10月頃)、イセエビ網漁が始まる少し前のようなのですね。
だからこれから入館する個体はもう卵は持っていないような…(まだまだ調査中ですが)
う~んタイミングが合わん。こりゃ潜って採集か?(笑)
それでも水槽内で長く飼育すれば次の秋に繁殖する可能性もあるでしょう。
近いうちに卵発生と繁殖生態を観察して皆さんにお伝えしよう、と目標を立てています。薮の向こうに光が見えるのは、いつの日か?