先日の飼育日記でへんな生きもの研究所に搬入したウミウシを紹介しましたが、ウミウシ飼育の一番の難関は餌の確保。ウミウシの種類によってカイメンやコケムシ、ヒドロ虫などなど食べる餌もさまざまで、おまけにどれも手に入れるのが難しいのです。
ほぼ決まった種類の餌しか食べない種類(専食性)や複数の餌を食べる種類(広食性)がいるようですが、どうもこれにも個体差があるようです…。例えばこちらのミカドウミウシは水槽内ではこんな黄色いカイメンを食べることが判明していますが、個体によっては全く見向きもしません。
今、展示しているウミウシもカイメン類を餌にする種類がほとんどなので、館内のいくつかの水槽からカイメンを採集して与えています。
それでも試験的に何種か与えてみてウミウシが反応したのは、今のところコブシメ水槽の隅で見つけたこの灰色のカイメンだけです。このカイメンは特有の香りがあるので見分けるのは簡単です。
今のところ、このカイメンを摂餌しているのはシライトウミウシとリスベキア・プルケアのみです。
大きく口を開けて食べています。気持ち良い食いっぷり。
今後もウミウシ類の長期展示を実現するために餌情報のデータを蓄積していきます。
【飼育研究部 森滝丈也】