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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オウムガイのウオジラミを比較してみた

今から120年ほど前の1896年、Arthur Willey がニューブリテン島のオウムガイの体表に寄生するウオジラミ類を初めて報告しました(のちに本種はAnchicaligus nautiliと学名が付けられました)。しかし、これは詳細な情報に欠けた報告だったようで、その後、1980年にJu-Shey Hoがパラオ産オウムガイに寄生するウオジラミ類を詳しく調べてAnchicaligus nautili として再記載しました。

でも、そんな遠く離れたオウムガイに寄生するウオジラミが果たして同種なのかなぁ?と疑問に思っていました。

というのも、過去に私が観察したフィリピン産のオウムガイに寄生したAnchicaligus は、Hoさんの論文で見たパラオの個体とは姿が少し異なっているように見えたからです。

いつか実物を比較できれば、と考えていましたが…昨日、水族館にパラオオウムガイが26年ぶりに入館し、その1個体にAnchicaligus を2匹見つけました!これは絶好の機会。

さっそくフィリピン産と比較…すると、やはりこれは明らかに形態が違うよ。

パラオオウムガイ寄生種

フィリピン産オウムガイ寄生種

こうなると、世界各地のオウムガイのAnchicaligus nautili が果たして同じ種類なのか気になってきます。

…え、ならないって?(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

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