スイクチムシ…見かけからは想像つきませんが、実はゴカイなど同じ多毛類(環形動物)の一員。
170種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生していますが、ごく一部がヒトデ、クモヒトデ類から報告されています。
去年は熊野灘の沖合底引き網で複数種のヒトデからスイクチムシ(未記載種)を見つけました。
例えばウデナガゴカクヒトデであれば、160匹を解剖して直腸嚢からスイクチムシA種を10匹、幽門盲嚢からB種を1匹見つけています。
どうやら寄生する部位は決まっているようでいつも同じ場所から見つかります。
それで、今シーズンも引き続き死んだヒトデを解剖しています。
今年は今のところペースが良くて、これまでにウデナガゴカクヒトデ16匹を解剖して、もう3匹も見つかっています!
A種に似ていますが、サイズは大きい(11mmですが圧片するともっと大きくなります)
見つかったのは直腸嚢でなく幽門盲嚢のあたりでしたが、ヒトデが死んで既に内臓が融解していたため本来の場所から移動したとも考えられます。
残念ながら、解剖時にスイクチムシは少しちぎれてしまいましたが…
興味深いので備忘録としてアップしておきます。
引き続き調査していきたいと思います。
【飼育研究部 森滝丈也】