ナマコの口に歯はありませんが、実は肛門に歯を持つグループがいます。
肛歯(こうし・anal teeth)と呼ばれるそれがあるのは、クロナマコ科のActinopyga属のナマコ。肛歯は魚(カクレウオ)が肛門から進入するのを防ぐ役割があると考えられています。
鳥羽水族館にいるActinopyga属ナマコはこちら。飼育歴20年を超えるオオクロシカクナマコ Actinopyga miliaris のクロちゃんです(体長30㎝ほど、性別不明)。
肛門はこんな感じ。黄色く見えるのが肛歯です。
さて、こちらは同じ水槽のヨコスジオオナマコStichopus herrmanni(先日、新たにメンバー入りしました)
これも熱帯の海に生息する大きなナマコですが、オオクロシカクナマコとは別科(別属)なので、こちらには肛歯はありません。
はい、こちらが肛門。おぉ、まるでブラックホール
話は横道にそれますが、肛門を撮影していて気が付いたのですが、このヨコスジオオナマコの体壁にウロコムシの仲間(環形動物)が共生していましたよ。
こういう生物を見つけると興奮しますね!では、また!
【飼育研究部 森滝丈也】