先日、2020年にショウサイフグから見つけたウオノエ(フグノクチヤドリ)に関する和文論文が公開されました。
魚類寄生性甲殻類フグノクチヤドリ(等脚目:ウオノエ科)の追加記録とマンカの形態 (jst.go.jp)(外部リンク先にあるPDFをダウンロードすれば読めます)
当時の私はショウサイフグの口に寄生するウオノエがいるとは知らなかったのですが、なぜ見つけることができたのか…?
実は、こんな前日譚があったのです。
それはショウサイフグからウオノエを見つける2ヶ月前…
とある後輩が「予備水槽で死んでいたヒガンフグにたくさんの寄生虫がいたんですけど、必要でした?」と声をかけてきたのです。もちろん「欲しい!」と即答。だけど彼女は「…あ~すみません、もう捨てちゃいました」と一言。
…いや、だったらなぜ聞く?
まぁ、結局、諦めきれずに大捜索。何とか執念で探し出しましたよ。
見ると、確かにその体表にウオノエ類のマンカ幼生がいくつも。これは、もしかして…と口腔内を確認したら、そこにはペアのウオノエも!(ヒガンフグから見つかったウオノエのメス・オス・マンカ幼生)
見知らぬウオノエの発見に驚きました。
そして2ヶ月後。
だったら同属のフグ(ショウサイフグ)からも見つかるんじゃないか?と再調査して発見!結果、今回の論文につながったのです。
今では、あの時声をかけてくれた後輩に感謝しています。
【飼育研究部 森滝丈也】