このたび、研究者グループとの共同研究により、アラレナガニシの貝殻に付着するヤドリスナギンチャクの一種が新種記載されました!論文は科学ジャーナルOrganisms Diversity and Evolutionに掲載され、2022年5月12日付けで公開されました。
このスナギンチャクは熊野灘の水深250~300mあたりで見つかります。
新たに付けられた学名はEpizpanthus protoporos (ギリシャ語由来で“冒険者”を意味し、アメリカの人工衛星の名前にもなっていますね。スナギンチャクがロケットのような形の貝と共生することから名付けられました)。和名はナガニシヤドリスナギンチャクです。
現在、本種の飼育はおこなっていませんが、採集できれば展示する予定です。
これまでにも何度か書き込んでいますが、宿主であるアラレナガニシは体を大きくねじって二股になった腹足でスナギンチャクをしごくような動きを見せることがあります。貝が積極的にヤドリスナギンチャクをケアしているようにも見える非常に興味深い行動です(もちろん、その逆の可能性もありますが)。今後は飼育を通じて両者の関りをさらに解明したいですね。
これで、水族館が関わって記載された新種は今年だけですでに19種になりました(全部で36種)。
【飼育研究部 森滝丈也】