先日、搬入した深海生物の中にアカモントゲオキヤドカリが3匹いました(以下、アカモン)
アカモンは背負っている貝殻に名無しの桃色イソギンチャクを付けていることが多く、今回の3匹も2匹がイソギンチャク付きでした。
もう1匹はヒメヤドカリスナギンチャクを付けていました。これもよく見かける組み合わせですが、少しサイズが小さな個体がスナギンチャクを利用する傾向にあるようです。
成長の過程で共生する相手を変えているのか、たまたまなのか不明ですが。
底曳網で採集すると、このどちらかを付けていることがほとんどなので(何もつけていない場合もあります)アカモンにとっては大事なパートナーなんだろうな、と思っていたのですが…
展示水槽に入れて2日、今朝見ると片方の個体が大事なイソギンチャク付きの貝殻を脱ぎ捨てていきなり引越ししているじゃないですか!
引越しした貝殻は元々、水槽の中にあった貝殻ですが、そこに付いていたイソギンチャクは普段利用している種類ではありません。
もしかしたら種類問わず何でもいいんじゃ…という可能性も頭をよぎります。
放置された名無しの桃色イソギンチャクがどこか寂しげです。
【飼育研究部 森滝丈也】