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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オウムガイの隔室

オウムガイの隔室

この連休中、オウムガイが大好き!お話を聞きたい!と幼稚園の男の子が来館してくれました。嬉しいですね。不思議ですが、声を掛けてくれるのはこの年齢層が多く、もしかしたら「オウムガイ好き世代」ってのがあるかもしれません(笑)

今回の少年も実物を見てかなり興奮していました。手触りがどんな感じなのか気になっていたようで、ずっと実物を見たかったそうです。

さて、今回はオウムガイの殻の話です。

オウムガイの殻を半部に切断するといくつもの部屋(隔室)があるのがわかります。規則正しく配列する形は美しいですね。

隔室は幼体(胚)が卵の中にいる時から作られ、隔室が7個になった時に幼体は孵化します。

その後、成体になるまでに作られる隔室は30個ほど。隔室はオウムガイが排出するガス(気体)で満たされていて、オウムガイの浮力を保つのに役立ちます。

隔室は数週間から数ヶ月ごとに増設されますが、外側の殻と異なり、比較的早いスピードで一気に作り上げられるようです。そのため、材料不足にならないよう、オウムガイは隔壁を作る材料であるリン酸カルシウムを腎臓(腎嚢)に貯蔵しています。

このリン酸カルシウムは少しザラッとした軟らかなクリーム状で、オウムガイはこれを血液中に溶かして短期間のうちに隔壁を作るそうです。

【飼育研究部 森滝丈也】

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