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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

カンムリヒトデのシダムシ

最近の私の胸を焦がすマイナー生物のひとつがシダムシ。

シダムシはヒトデの体腔内に寄生する甲殻類で、身近な生物だと、フジツボの仲間に比較的近縁です。

昨年は研究者との連携で、東シナ海の1種と熊野灘で採集した2種のシダムシが新種記載されました(熊野灘の1種はユミヘリゴカクノシダムシDendrogaster tobasuii と鳥羽水族館に献名しました)。シダムシはこれまでに世界から35種(うち日本からは9種)報告されていますが、まだまだ新しい種類が見つかりそうです。

さて。

去年の9月、水族館で2年3ヶ月飼育したカンムリヒトデの中から報告されていないシダムシを見つけたと、飼育日記で紹介しました。それ以降、追加個体を見つけたいと願っていましたが、悪天候などの影響でなかなか採集にでかけることができない日々が続いていました…

去年初めて確認したカンムリヒトデのシダムシ(若い個体)体長9.6mm

それが先日の水曜日、実に3ヶ月ぶりに採集に出かけることができました!(今回の採集場所は熊野灘の水深200m付近)

天候も上々!期待が膨らみます。

そして、念願のカンムリのヒトデのシダムシを5個体も採集することができたのです!

カンムリヒトデのシダムシ 体長17mm

長期飼育飼育していたヒトデから偶然見つかったという発見エピソードもなかなか興味深い。次はこのシダムシを新種記載したいですね。

【飼育研究部 森滝丈也】

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