先日、タカアシガニ水槽の前を通りかかったとき、メスのハサミ脚をしっかりとつかむオスのイガグリガニを見かけました。
おぉ!交尾前ガードですね。
交尾前ガードとは、交尾に先立ちオスがメスを確保する行動のことで、エビやカニなど甲殻類でよく見られます。
というのも、甲殻類のメスが交尾できるのは、脱皮した直後の体がやわらかな時だけなので、確実に交尾を成功させるために(他のオスに奪われないように)オスは脱皮前のメスをしっかりと確保するのです。
ヤドカリの仲間(イガグリガニはヤドカリの仲間)は相手のハサミをつかみ、カニ類は後ろから抱きかかえるようにガードします。
見方によっては少し強引なアプローチに感じられるかもしれませんが、これが彼らの繫殖戦略なのです。
【飼育研究部 森滝丈也】