熊野灘の水深300m付近に生息するカガミモチウニは2個体が上下に重なる興味深い習性を持ちます(上がオス、下がメス)。重なるのはおそらく繁殖効率を上げるためでしょう。体外受精(放卵放精)で繁殖するので、お互いが近くにいる方が成功率は高くなるわけです。
深海に住むウニの仲間は、はっきりとした繁殖期を持たないようですが、オスがメスをキープしていれば、いつでも繁殖オッケー!
さて。
昨日の午後、そんなカガミモチウニのそばを通りかかり、思わず息を飲みました。
メスの上に乗ったオスが間歩帯の棘を束ね、管足を盛んに上下に動かしているじゃないですか!まるで踊っているよう。こんな行動は初めて見ました。
他の作業の関係で長くは観察できなかったのですが、しっかり動画も押さえましたよ(動画を飼育日記にアップできないので、別の媒体でお見せしたい!)
本当にオスだけが激しく動かしていて、こちらにも興奮具合が伝わってくるようでした(笑)
40分後に見ると、いつもの状態に戻っていましたが、あれはいったい何だったのでしょうか?
カガミモチウニの声が聞きたい(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】