前回、イルカにはホイッスル音を使って意思疎通をすることが多いと書きました。
イルカだけではなく、アシカにもホイッスルは使用でき、どっちがいいとも一概には言えません。ただ、ホイッスルは誰がいつ吹いても一瞬で「ピッ」と鳴ります。
それに対して声は質が変わってきますよね?男女でも違うし声の高低でも異なります。何が言いたいかというと、声の意思疎通は一貫性がありません。担当者が5人いれば5人それぞれの声の差があります。ホイッスルだと音が大きいか小さいかぐらいでそこまで差はありません。
動物はトレーナーのことを少なからず観察していると僕は思います。
「よし!」と言うのと「よぉ~し!!」と言うのでは全然違います。このことが知らないうちに動物達を混乱させているかもしれません。
ですが、悪いことばかりではありません。声は単純に感情も入れることができます。反応が良く、大きな声で「よし!」を言ってあげると、動物達に「今日のアイツ、テンション高いな」と思わせることに繋がり、経験上いい関係を築けることにも関係してきます。
何より声というのは、第三者から見てもお互いの関係性が一目で分かるものではないでしょうか?
つづく
【飼育研究部 ともちゃん】