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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

with T(タコ)

マダコの右の第3腕は交接腕(生殖用の腕)で、その先端は吸盤がなく、シワの並んだ特殊な形(舌状片)になっています(矢印)

オスはこの腕をメスに伸ばして精莢(精子)をメスに渡すのですが、舌状片に精莢を乗せてメスに渡しているのか、はたまた腕の中程から伸びる溝に沿って舌状片まで精莢が移動していくのか、よくわかりません。

こちらが交接腕にある溝(矢印)

精莢が移動する決定的瞬間はまだ目にしたことがありません…

それで、マダコの交接風景を見かけると、ついつい食い入るように観察してしまいます(笑)

さて。

昨日もマダコの交接を見かけました。観察しやすい位置です(画像は横向きにしています)

…が、交接腕をメスの外套に差し込んでいるものの、今回も精莢が移動する様子はわかりません。

あきらめて、ふとその上に目を移すと…(画像では左)

何と!そこにもオスのタコがいるじゃないですか!

こちらもメスに交接腕を伸ばしています。

まぁタコにとっては、特に珍しい状況でもないでしょうが、これは「両手に花」状態。

両手の花になっているのはオスなので、このスタイルって、あの芸人さんっぽいかも(笑)

『ねぇ、みんな。ところで、マダコってどれぐらい卵を産むと思う…?』

『……35億!(ウソ)』

本当は10~20万個ぐらい、だそうです。

【飼育研究部 森滝丈也】

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