少し久しぶりのブログ更新ですが、内容はいつも通りの通常運転です。
私は熊野灘の沖合底引き網で採集したヒトデが死ねば中身をチェックしています。
ヒトデの寄生虫であるシダムシ(甲殻類)やスイクチムシ(多毛類)を探すためです。
前回の5月22日の沖合底引き網ではゴカクヒトデ科のAnthenoides epixanthus(和名なし)が、まとまって採集できました。
このヒトデからはシダムシやスイクチムシの寄生報告はありません。
ただし1例だけですが、昨年採集した個体からスイクチムシを見つけているので、このヒトデもおそらくスイクチムシが寄生する種類だと予想しています。
先ほど、死亡した大きな個体(からだの中心から腕の先端まで11.5cm)を調べてみましたが…
見つけましたよ、スイクチムシ!
それも3匹も!
幽門盲嚢(消化腺)の中に隠れていました。
いやぁテンション上がりますねぇ(笑)
ちなみに…こんな姿をしていますが、スイクチムシはゴカイの仲間です。
さて。
私はこれまでに熊野灘の3種類のヒトデからそれぞれ特徴あるスイクチムシの仲間を見つけていますが、今回のはそれらとは異なる姿をしているように見えますねぇ。
幅10-12mmと比較的大型で、腹側がピンク色、背中側が淡褐色しているあたりが、特にこれまでのものとは異なる印象です。
今後、慎重に調べていかなければいけませんが、まずは備忘録として飼育日記にアップしておきます。
【飼育研究部 森滝丈也】