先日(14-16日)神奈川県の三浦半島にある東京大学三崎臨海実験所に行ってきました。
目的はここで開催されたJAMBIO沿岸生物合同調査。
参加した25名のほとんどは大学などの研究者で、それぞれ深場(95~500m)で採集されるお目当ての生物(マイナー無脊椎動物ばかりです)がいるわけですが、私の第一目的はそんな研究者さんとつながりを作る事。
今一緒に研究を進めている方も参加していたので、色々と有意義な話をする機会が持てました。
さて。
今回、初めてお話ししたある若い研究者さんの研究対象はゴカイの仲間Nothria属。
Nothriaは小さな貝殻で巣を形成するそうですが(トビケラの幼虫みたいに)その仕組みを調べているとか。
何と言っても自分の研究対象生物を熱く語る姿は良いですね(笑)…
話を聞き、そしてドレッジで採集された実物を見て…
あん?こんなゴカイ、どこかで見たことがある気がするよ、と…鳥羽に戻ってさっそく確認すると…
お、これだ!へんな生きもの研究所の水槽で見つけましたよ。
大きさは33mmほど
これは熊野灘で採集されたものです。
すぐに研究者に画像を見てもらいました。
すると、確かにNothriaの巣のようらしいとの返事がありました。さらに日本から知られているNothria属5種と未記載種の1種、そのどの巣の形とも一致しない、とか。
これは巣の形が知られていない2種(稀種)か、または日本未記録種、新種の可能性もあるそうです。
がぜん、面白くなってきました。
それまで水槽の中で見かけても何とも思わなかったものが、急にキラキラ光りだしてきたような(笑)
これが何かの成果につながれば良いですね。
【飼育研究部 森滝丈也】