先日の日曜日、近くで採集されたヒョウモンダコが水族館にやってきました。
ご存知の方も多いでしょうが、このタコは唾液腺に猛毒がある「毒ダコ」として有名。
成長しても体長10cmほどのサイズですが、かまれると人命にかかわることもあるそうです…
それで用心のため、脱走しないようにガシャポンのケースに入れて予備水槽へ…
ちょうど出張(沖合底引き網採集)に出かける寸前でバタバタしていたので、帰ってきてから展示しようかと思ったのですが…
ヒョウモンダコは「危険・注意!」と話題(ニュース)になりやすい。
そこで急遽、方針転換して、すぐに展示へ出すことにしました。
へんな生きもの研究所で展示しているので(2000年以降、鳥羽水族館で展示するのは5回目)是非ご覧下さい。
但し、ヒョウモンダコは 興奮すると体の表面に青いリング模様が浮かび上がって「豹紋(ヒョウ紋)」に見えますが、
落ち着いているときは、青いリング模様は表れないので、地味な茶色ぽいタコにしか見えません。
あしからず。
タコの話題をもう一つ。
ヒョウモンダコを展示してから向かった沖合底引き網採集で、珍しいタコをゲットすることが出来ました(尾鷲沖 水深300m)
既に死亡していますが、これは以前、飼育日記で紹介した「赤虎のタコ」です。
体長60cmほどのメスでした(未成熟)
このタコはこれまでに年に1個体ほどしか入館していない、まぁまぁ珍しい種類(画像は現在予備水槽で飼育中の個体)で、種名は不明。
このタコの種類は何なのか?未知のタコか…興味津々です。
ところで、今、大阪大学の先生と一緒に熊野灘のニハイチュウ相を調べています。
(ニハイチュウはタコ・コウイカ類の腎臓に寄生(共生)する小さな生物です)
タコの種類ごとに異なるニハイチュウが見つかるため、深海のタコから未知のニハイチュウが次々と見つかっています。
この不詳タコからも、おそらく知られていないニハイチュウが見つかると思われますが、そちらの方も結果が出るのが楽しみです。
【飼育研究部 森滝丈也】