去年の4月25日に孵化したオウムガイP162(Nautilus pompilius 162番目の孵化個体なので)
およそ3ヶ月で赤い縞模様3本分 成長したことがわかります(殻の模様を見比べてください)
順調に成長しています。
ところが、8月に入った頃からP162が水槽の底に沈みがちだと感じていました。
どうやら成長の過程で浮力の調整がうまくいかないようです。
オウムガイの殻は気体で充満した隔室に区切られていて、これで中性浮力を保っています。
隔室を増築すれば、浮力はまた元に戻るはずです。
さて、今夜は宿直です。
先ほど、巡回中にP162の面白い行動に遭遇しました。
オウムガイのねじり行動です(この行動は夜間たまに見ることができます)
こういった軟体部を伸ばす行動は、一説には殻の中に隔室を作るときによく見られると言われているようです。
軟体部を少し前に移動させつつ軟体部の後方に隔壁を作って隔室を増やしていくのですが、その時に軟体部をねじるのではないか…と。
見られるのを嫌うのか、すぐに元の姿に戻ってしまいますが(この画像ではまだ少し伸びていますが)、ありえない格好をする個体もいるので、これを見るのは私の密かな夜の楽しみのひとつになっています(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】