まずは訂正から。
先日の飼育日記でロクソソメラが付着していると紹介したのはイケメン25号ではなく、腹ペコ大王26号でした。
すみません。見間違えていました。
その上で残念な報告をしなければいけません。
今朝、そのダイオウグソクムシ№26の死亡を確認しました…
急なことで私自身が驚いています。
26号は去年の8月27日に入館して以来、どの個体よりも元気で食欲旺盛でした。
最近も6月4日にサバを食べていましたね。
そして前日までよく動き回り、何の兆候も感じとれなかったのですが…
突然のことだったようです。
午後、いつものように死因を確かめるために解剖を行ったところ、明らかな異常個所が見つかりました。
消化管(胃)の背中側の一部が心臓と癒着していたようです。
でも、新しいものではなく、ある程度時間が経過しているように見えます。
そして、最近になってどうやらこの癒着部が剥がれてしまったようなのです。
ここでダイオウグソクムシの消化管の形について解説すると…
消化管はちょうど「ひょうたん」のような形をしています。
胃のような部位は(組織的に「胃」なのかは不明ですが)食いだめするためか大きな袋状で、その後一旦くびれて腸のような部分に(こちらも組織的に本当に「腸」なのかは不明ですが…)つながっています。
ちなみに「腸」の部分は体の中ではこんな風には広がっていません。
図示するとこういう位置関係。
背中側にある心臓と消化管は本来ならくっついていませんが、26号はどういう訳かここが癒着してしまっていたようなのです。
剥がれた癒着部の周囲には薄紫色の血の塊が確認できました(矢印)
癒着が生じた原因は不明ですが、直接的な死因は癒着部が剥がれたことによる失血死だと推察(あくまでも個人的な見解です)
26号の消化管に内容物は全く残っていませんでした。
6月に食べた餌は既に全て消化・排泄していたようです。
意外と消化スピードは早かったようです。
また、入館時の体重が1197gでしたが、今回計測したところ1274gでした。
順調に推移していただけに残念です。
【飼育研究部 森滝丈也】