昨日の閉館後。
へんな生きもの研究所の水槽を何気なく見ていて見慣れない小さな巻貝に気が付きました。
水槽のガラス面をゆっくりと這う小さな巻貝。貝の大きさは3mm程でしょうか。
おそらく、先日の沖合底引き網の採集物に混入していたと思われます。クマサカナマコという体壁に小さな貝殻を付けるナマコにくっ付いてやってきたのかもしれません。
よく見るとなかなか美しい貝です。
手元の貝類図鑑を調べてみると…どうやらシロオビタマツメタ Pseudopolinices nanusという種類によく似ています。
こういった予期しなかった生物を見つけると、ずいぶん得した気分になりますね。
ちなみに、貝類図鑑によるとシロオビタマツメタは殻の長さが0.9cm、貝殻に白色帯を持つのが特徴。
今回見つけた個体は少し小さめでしたが、状態は良さそうです。
気になるのはこの巻貝が住む海域。
図鑑には、シロオビタマツメタは伊豆諸島沖以北、環北極圏の水深50~1710mの泥底に生息すると書いてあります。
この個体が採集されたのは三重県の熊野灘水深200~300mなので水深は妥当ですが、これまでに記録のない海域である可能性がありますね。
これまで発見されていなかったのでしょうか。
面白そうなので、本当にシロオビタマツメタなのかあらためて調べてみます。
※へんな生きもの研究所のニホンウロコムシ水槽に入れておきました。よく探したら見つかるかも。
【飼育研究部 森滝丈也】