…と言いつつ、今回はこの話ではありません。
実は、この磯のすぐ近くに馴染みの魚屋があり、以前、そこから水族館の展示用にガンガゼ(ウニ)をいただいたことがあるのです。
今回、挨拶に行ってすっかり大人になっていて驚いたのですが、そこの魚屋の息子さん(現在28歳)が小学5年生の頃でしたね。
今から17年前(1998年)のことでした。
その時いただいたガンガゼは4匹。2000年にも2匹いただいたので計6匹。
途中でほとんどが死んでしまったけれど、1匹だけ今でも残っているんですよ。
コーラルリーフダイビングゾーンの水槽で、運が良ければ見ることができます。飼育歴15-17年。
ガンガゼってたぶん、どの水族館でもどれだけ長く飼育できるかハッキリわかっていないと思うのです。
熱帯のウニの寿命は比較的短い(数年)と聞きますし、飼育データとしても貴重です。
もう一つ、飼育歴のはっきりしているウニがいます。
サンゴ水槽で飼育中のシラヒゲウニ。コイツも運が良ければ見ることができます。
2007年12月に三重県志摩半島で採集。採集時は殻径4㎝ほどでした(下画像)
シラヒゲウニも南方系のウニで、定説では寿命は2-3年と言われているんですけどね。
この個体は既に水族館暮らしが7年半。
生育条件によるのか、シラヒゲウニも意外と長生きなんだな、と。
こういった小さなデータの積み重ねが、生きものの謎を解く手掛かりになる。
こういうのって、水族館ならでは、だな。
【飼育研究部 森滝丈也】