最近、付着生物ネタが続いていますが、実は個人的にコケムシ(苔虫動物)よりも好きなのが内肛動物で、特にロクソソマの仲間。
ロクソソマとは、最近飼育日記でしつこく書き込んでいるのでご存じでしょうが、内肛動物の中で一つ一つが独立して生活する単体性の仲間(ロクソソマ科)のこと。
この仲間は刺激を受けると柄をくねっと曲げるのですが、その動きが実にカワイイ。
また、これらに似た生物に刺胞動物のヒドロ虫類っていうのがいるのですが、こいつらはクラゲを遊離したり、機能によってポリプの姿に変異があったり、群体全体の印象がモジャ~としているなど、まぁ何となくまとまりがない印象なのです。
決して嫌いという訳ではないのですが、やはりロクソソマの佇まいの端正さにはかなわないな、と(個人的見解)
ポリプ一つ一つのヒドロ虫はキレイですが。
さて、そのロクソソマの一種はへんな生きもの研究所のオニダルマオコゼの水槽で展示しています。
オニダルマオコゼの体表に群生しています。
魚体に付着する報告はないようで、今後の研究結果が楽しみです。
この水槽以外では見つかっていないので、元々このオニダルマオコゼの体表に付着していたのだろう、と思っていました。
それが昨日、別の場所でも見つけたのです!
へんな生きもの研究所以外では初めての確認になります。
見つけたのは3階の企画展示室内。
知る人ぞ知る?おもしろ映像の流れる、休憩室のような部屋にあるオニダルマオコゼ・オニオコゼ水槽の中です。
気がついたのは朝の見回り時。
ふと吸い寄せられるように何気なく見た水槽の排水パイプの表面が気になる…
あれ?これってもしやロクソソマじゃ…(ちなみに肉眼ではほとんど見えません)
いや、もう雰囲気だけでロクソソマだとわかるという…(笑)
ドキドキしながら拡大すると、ビンゴ!
数はそれほど多くはありませんが、どうやら、見た感じではへんな生きもの研究所と同じ種類のロクソソマのようです。
ちなみにこの水槽の中にいるオニダルマオコゼの体表には確認できませんでした。
変わって、こちらがへんな生きもの研究所の水槽。
このロクソソマはオニダルマオコゼの体表以外にもガラス面やアクリルパイプなどにも付着できるようですが、やはり魚体に付着しているものが調子良さそう。
実は、へんな生きもの研究所のオニダルマオコゼは2代目なのです。
先代の個体は企画展示室の水槽でしばらく飼育されていました。
先代が死んだあとに2代目を水槽に入れました。
もしかしたら、先代の体表に付着していたロクソソマが先代の魚体から離れて、2代目が入館したときに再び取り付い…そんな可能性も出てきました。
今回見つけた企画展示室のロクソソマは、先代オニダルマオコゼが飼育されていた頃に離れた生き残りかも知れません(だとしたら、今いるオニダルマオコゼにも付着するかも)
↑ へんな生きもの研究所で飼育中のロクソソマ。
色々と推理すると面白いですね。