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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

深海ダコとニハイチュウ

2月20日に入館した深海ダコをへんな生きもの研究所でひっそりと展示していました。

腕が細長くてなかなかエレガントなタコ。

種類はいまのところ不明です。

目の周囲が青みがかってキレイなタコでしたが、残念ながら本日死亡しました。

くにゃくにゃと動きまわるタコは、生きているときは種の同定をするのがなかなか難しいようです。

ま、私にしてみたら死んでいても難しいのですが…

アルコールで固定した後、時間を見つけて同定する予定です。

種名を調べる前に急いでやらなければいけないことがあります。

新鮮な内にタコの寄生虫ニハイチュウの観察です。

(宿主であるタコが死んでもニハイチュウはしばらくは生きています)

午前中はオウムガイの給餌や潜水掃除もあったのですが、合間を縫ってタコの解剖とニハイチュウの撮影です。

 

これまでに何度も飼育日記で紹介していますが、ニハイチュウはタコやコウイカ類の腎嚢に寄生する体長数百μm〜数mmの小さな生物です。

これまでに日本沿岸で30数種類、世界で110種類ほどが見つかっているそうです。

特にタコの場合は寄生率が高く、全種類の8割に複数種のニハイチュウが寄生していると考えられていて知られていない種類も含めると全部で1000種ぐらいはいるようです。

また、ニハイチュウは種特異性を持つ傾向があるようで、寄主(タコ・コウイカ類)ごとに異なる種類が見つることが多いようです。

興味深い生物です。

 

それで、見慣れないタコが死ぬと、見たことがないニハイチュウが寄生しているかも知れないと期待して腎嚢をチェックするわけです。

 

タコの種類によっては複数種寄生している場合もあるのですが、今回の個体の中にいたのはどうやら1種類だけのようです。

こんなニハイチュウです。

特徴的なコケシ頭で体長はこの画像で0.7㎜ほど(大きな個体だと1.3㎜ほど)

エノキタケにも似ています…

 

こんな頭の種類は初めて見ました。

もしかしたら、今回のタコに特有なニハイチュウかも知れません。

↓ こちらは幼生です。

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