ラッコの話題が出たので性懲りもなくマイナー生物を…(笑)
へんな生きもの研究所ではワケワカラナイ生きものを続々と(場合によってはひっそりと)展示しているのですが、その中で個人的に、胸アツなひとつがホフステニアです。
これ、先月も書き込んだのですが、無腸動物類のホフステニア科 Hofstenia属の動物のことです。
コイツです↓ 体長は数ミリ、大きなものでも1センチほど。
へんな生きもの研究所の通称アパート水槽に勝手に出現しています。
ちなみに英語ではパンサーワーム(ヒョウ柄のムシ)だそうで。
なるほど。
ホフステニアの分類は最近見直されて、珍無腸動物という聞きなれないグループに統合されたのですが、ほとんど研究が進んでいない(あまり注目されていない?)ようです。
そんなマイナーなホフステニアが、へんな生きもの研究所では運が良ければ見ることができるのです(ひとリウムでも要チェック!)。
現在、確認されているのは日本で見つかったHofstenia atroviridis、紅海のHofstenia beltage、カリブ海に生息するHofstenia miamiaなど数種類だけのようです。
ところが、へんな生きもの研究所で勝手に水槽に出現したホフステニアは日本から報告されている種類とは特徴(体色)が全く違っていて、なぜかカリブ海のと激似なんです。
この水槽では国内(それも三重県のみ)の生物しか展示していないのですし、底砂も近海のもの、何か付着して入り込んだとしたら腑に落ちない。
もしかしたら、知られていないだけで国内にもカリブ海のHofstenia miamia(あるいは似た別種)が分布しているのかも…
興味深いですね。
確かめるには、解剖をしないといけないのですが…しばらくは生態の観察です。
ホフステニアのかわいい動きは、這いまわる途中で頭部を持ち上げる仕草。
丸い口がキュートです。
立ち止まって何かを探しているような…
これは水槽のガラスの表面を這っているところ。
ほとんどの人の心に引っかかることもない、へんな生きものですが、知れば知るほど興味が出てきます。
この日記を読んで気になった方は「へんな生きもの研究所」内のドロイシガニ水槽をよく探してみてください(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】