時々、それが何なのか見当も付かない生きものに遭遇することがあります。
今年の夏にも、いつも採集に行く馴染みの磯で見慣れない刺胞動物(クラゲ・イソギンチャクの仲間)を見つけました。
こいつです ↓
岩の上に広がったグレーの不定形で柔らかな組織はカイメンのよう。
だけどボコボコとした頂点からはヒドロ虫のポリプのような触手を伸ばしている…
う~ん
すぐ近くの海で見つけたんだし、多分普通種なんだろうけどね…正体が全く見当つかない。
とりあえず正体がわからないまま、へんな生きもの研究所でラベル表示もせずにひっそりと飼育(放置)していましたが、いちどきちんと調べてみようと思い立ち、ひとまず拡大してみました。
露出を変えての接写してみる…
あ、やっぱりカイメンから刺胞動物のポリプが伸びているように見えるな。ポリプの高さは5mmほど。
次にグレーの柔らかな組織の一部を取りだして顕微鏡で拡大してみる…
伸びているときは群体性のヒドロ虫のポリプに見えたけれど、触手が縮んでいると印象がかなり変わる。
イソギンチャクぽい?
そして、ポリプを取り巻いている柔らかな組織(カイメン?)を取り除いてみる…
中からぽろりと出てきたのは、まぎれもなくイソギンチャクの一種。
…どうやら、カイメンと共生するイソギンチャク?
でも、そんなイソギンチャクって知らないなぁ。
イソギンチャクは縮んだ状態で幅1.5mmほど。
図鑑をいくつか当たってみてもよくわからない。これはイソギンチャクの専門家の意見を聞いてみなければ。
正体がはきりするまではもう少し時間がかかりそうです。
ご了承ください。
身近な場所にも「不思議」はたくさん潜んでいますね。