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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ミカドウミウシの餌

コーラルリーフダイビングゾーンで飼育中のウミウシは、餌のカイメンを食べているようで何とか展示は継続中。

以前の日記で紹介しましたが、その中でもとりわけ美しいのがこのミカドウミウシ。

本種はウミウシの中では特に大型になり、それだけで迫力があるのですが、さらに、驚いたときなど色鮮やかなフリルを広げて泳ぎます。

その姿はまさに英名のスパニッシュダンサーそのもの。

(でも、残念ながら普段は地味に岩陰に隠れているのですが…)

どうにかして魅力的なこの姿をみなさんにお見せしたいのですが…

さて、ウミウシの飼育の一番の難関は餌の確保。

特殊な餌、特定の餌しか食べない種類がほとんどのようで、長期間飼育することはなかなか困難。

そんな中、ミカドウミウシは経験的に餌が判明しています。

以前入館したときに、水槽内で勝手に育ったありとあらゆるカイメンを与えて、判明したのがこのカイメン。

クラトリナカイメンです。

すでにご存じの方はいるかもしれませんが、ミカドウミウシを飼育するのであれば、クラトリナカイメンは必須ですよ。

カイメンの仲間は大きく4つのグループに分類されますが、実は、そのほとんどが尋常カイメン類と呼ばれるグループです。

カイメン全種類のうち、およそ95%が尋常カイメン(15000種)なので、普段目にするほとんどがこの仲間というわけです。

もちろん、磯でよく見かける種類もほとんどが尋常カイメン類ですね。

 

でも、このクラトリナカイメンは石灰カイメン類(全400種)と呼ばれる仲間のひとつ。

最近、クラトリナカイメンだけでは無く、アミカイメンの仲間も食べることが分かってきましたが、このアミカイメンもやはり石灰カイメン類でした。

ミカドウミウシが、種類が多くてよく目にする尋常カイメンではなく、石灰カイメンを餌に選択した理由は何なのでしょうねぇ。

興味があります。

まぁ、見るからに美味しそうではありますが(笑)

 

このカイメンは水槽の中で勝手に増えていますが、育つのは目につきにくい岩陰なので、最近は潜水掃除で水槽に入るたびにレイアウトした岩を崩してカイメンを探しています。

ウミウシが食べる量は結構多いので、岩の裏側にたくさんのクラトリナカイメンを見つけたときは、非常に嬉しいですね。

なんだか、このあたりの感覚がウミウシに近くなってきた気がします(笑)

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