(秋イベント 鳥羽水族館で栗ひろい!? まだまだ開催中!)
前回の日記で、ノコギリウニの殻(特に乳頭状突起の触感)が良いね~!!と書き込んだのですが、生きている時には、この突起にはもちろん長い棘が付いています。
この突起は関節になっていて、棘は筋肉と結合組織で支持されているのですが、その結合組織は棘皮動物(ウニ、ナマコの仲間)特有の、非常に面白い性質を持っています。
今回はそれをネタにしようと生きたウニの棘を観察することにしてみました。
現在、生きたノコギリウニは飼育していないので、近縁のタイセイヨウマツカサウニ(Eucidaris tribuloides)を接写。
どですか、カッコイイ~でしょ?
この仲間(キダリス類)は、棘(大棘)の根元が中棘で覆われるのが特徴で、一般的なウニとはかなり違った印象を受けます。
鎧で武装している感じでしょうか(笑)
でも、この個体だと、突起と大棘のジョイント部分が中棘で隠れてわかりにくい。
ジョイントがもっとよく見える個体はいないか?と別のウニを探してみると…
他のウニにかじられて、棘が取れてしまった個体いました。こいつが良さげです。
…あれ、これは!?
見ると、この個体、1,2週間前にかじられた箇所からなにやら小さな棘が生えているような…
どうやら完全に棘が無くなったはずが、突起から新たな棘が伸びてきている様子。
へ~、ウニって抜けた棘が再生するんだ。
浅学にして知りませんでした。
…いや、考えてみたら当たり前か。敵に襲われたりして、棘が無くなることもあるだろうしね。
でも、まさに今、生えています!ってとこ、初めて見ました。
(ガンガゼなどで、短く折れた棘が伸びてることがあるのは知っていましたが)
よく見ると、別の個体でも再生した棘を見ることができました。これ↑なんか、かなり伸びてきています。
でも、元から生えていたものに比べると、再生した棘は表面がツルンとしていて先端も鋭いんですね。
成長すると同じような棘になるのか、再生した棘はこういうものなのか…気になるので、経過要観察です(笑)
あ、肝心の特殊な結合組織についての話は、またの機会に!ですね。
追伸)このキダリス類(オウサマウニ類)にはユニークな種類がいくつかいて、中には【オウサマウニ】【コウテイウニ】【ダイオウウニ】【ミカドウニ】なんてのも。この立派な名前の4種を一同に展示できれば、面白そう!(あくまでも個人的な趣味ですが)