いやぁ~、ダイオウグソクムシに対する皆さんの反応に驚いています。迫力ある姿や、驚異的な絶食期間にビックリした方が多かったんじゃないでしょうかねぇ。
ところで、皆さん、エボシガイという生きものをご存知でしょうか?
エボシガイはフジツボに近縁な甲殻類で、フジツボに柄がついたような姿をしています。オニギリ型した殻の間から蔓脚(マンキャク)を出し入れして海中のプランクトンを捕まえて餌にします。
エボシガイの仲間は海中のウキやロープ、ほかの生き物の体表に寄生することが知られていますが、種類によって付着対象の生物がある程度決まっているようです。ダイオウグソクムシではOctolasmis dawsoniという種類の付着が報告されています。
実は、このOctolasmis dawsoniと思われるエボシガイが、先日飼育日記に登場した№4の体表にもいくつか付着しているんですよ。
どうやら、ダイオウグソクムシと一緒に深い海の底で生活していて、そのまま水族館まで連れてこられたようです。青白い体色が深海暮らしを彷彿とさせますね。体長5㎜ほど。
エボシ達は、ダイオウグソクムシのエラあたりに多く付着していますが、よく見ると頭部にも付着していましたので、写真に撮ってみました。
…え?わからない?じゃ、拡大してみます。じゃ~ん!矢印の鼻毛のようにも見える、これがエボシガイです。
ダイオウグソクムシとともに水族館に入館して2年あまり。特に餌は与えていないのですが、個体数が減るわけでもなく、元気(?)です。
ん~こいつらも深海という、餌の少ない過酷な環境に適応しているのかもしれないなぁ。