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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

中学生からの問い合わせ

中学生からの問い合わせ

先日、静岡の中学3年生のAくんから、サクラエビに寄生するアミヤドリムシ科(小型甲殻類)についての質問を受けました。夏休みの自由研究で調べていた際、私の飼育日記に登場した「ウシロバエビノエボシ」に注目し、ご自身が観察した個体と似ているのではないか、と感じたそうです。

Aくんが送ってくれた画像を見たところ、どうやらその個体はサクラノエボシHolophryxus fusiformisのようです。私が熊野灘でジンケンエビから採集したウシロバエビノエボシZonophryxus retrodensとは属が異なり、別の種です。

見た目は似ているものの、分類上はしっかりと区別されています。

ウシロバエビノエボシ

サクラノエボシは、現在までに台湾と静岡県(駿河湾)で確認されています。宿主はサクラエビ類3種。一方、ウシロバエビノエボシは、九州、三重県(熊野灘)、ハワイで確認されており、宿主はジンケンエビです。

私はこれまでに3回、熊野灘でウシロバエビノエボシを採集しましたが、残念ながらサクラノエボシはまだ採集したことがありません。これまでの採集地点から両種の分布は海流(黒潮)の影響を受けると考えられているので、サクラノエボシが熊野灘で見つかる可能性もあるはず。いつか採集できたらと願っています。

Aくんからの質問を通じて、私自身も研究の楽しさを再認識しました。とても刺激的なやり取りでした。

【飼育研究部 森滝丈也】

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