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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

味も見てみよう

味も見てみよう

皆様こんにちは。まえだです。

 

時々お客さんから聞かれる質問に「セイウチに味覚はあるか?」というものがあります。

答えとしてはあります。

が、人間ほど豊かには感じていません。

そもそも味覚とは食事を楽しむものというよりも生きていくうえで食べたものを判別するためにあるものです。

甘味は糖分、塩味はミネラル、うま味はアミノ酸の量を示していますし、

苦味は毒物、酸味は腐敗物等の判別に必要なものです。

 

それぞれの生きものは必要のない味覚は感じないように進化してきています。

例えば純粋な肉食であるネコ科の生きものは甘味を感じないようになっているそうです。

 

セイウチを含む鰭脚類の場合はうま味と甘味を感じないようになっているようです。

そもそも咀嚼せずに食べている鰭脚たちの場合はじっくり味わってはいないのですが、海水の中で生活しているので浸透圧の調整に塩味を感じるのは必須です。

毒物や腐敗物を避けるために苦味、酸味も残っているのでしょう。

鳥羽水のセイウチたちもじっくり味わってはいませんが何か違和感を感じると餌を飲み込まず吐き出すこともあります。

 

ちなみに辛味は厳密には味覚ではなく舌で感じる痛みなので恐らく全ての哺乳類が感じるものでしょう。

 

【飼育研究部 まえだ】

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