前回、アラレナガニシの「手」のような腹足について紹介しましたが、今回はオウムガイの手(?)のお話。
先日、パラオオウムガイ№95が触手を擬岩にくっつけて休憩しているところを見かけました。こんな風に触手を1本だけくっつけてぶらんと休む姿は時々見かけるのですが、だいたい同じ触手を使っているように見えます。
もしかしたらこれも「手」のような役割を担っているのかもしれません。
オウムガイの触手はイカやタコと違って吸盤はなく、代わりに細かな溝(スリット)が並んでいます。この溝の作用で触手はかなりペタつきます。触手1本でよく支えているな、とは思いますが、省力化になって都合が良いのでしょうね。
パラオオウムガイだけではなく、オウムガイやオオベソオウムガイでも同じような姿を何度か見かけたことがあります(両種とも今は展示していません)。
在りし日のオオベソオウムガイ№100 ↓
オウムガイ№70 ↓ こ、これはさすがに…(笑)
オオベソオウムガイ孵化個体№55だって、こんな格好に。
果たしてはっきりとした役割があるのか不明ですが、興味深いですね。
そして、ちょっと横着なブラブラ加減が可愛いです。
【飼育研究部 森滝丈也】